電柱詩人 on Hatena_Blog 

たとえ人が私を見て 「醜い」と眉を顰めたとしても 私はそこに立ち続ける

雑踏

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世界は叫びに満ちている。


客引き、演説、主張、否定、悲鳴、嘆き、怒り、悲しみ、喜び。

 

世界には音が溢れている。


高々と物語る声、朗々と歌う声、かき鳴らされる弦、打ち鳴らされる鼓。


世界には叫びが満ち満ちている。

 

私は叫ぶ、声を限りに。

 

世界には音が満ち溢れている。

 

甘い音、麗しい音、大きな音、小さな音、聞きたい音、聞きたくない音。 

 

私の声音はだれかの耳に届くだろうか。

  

水楢の幹を削る

正義とは何か。

芸術とは何か。

娯楽とは何か。

創作とは何か。

 

総ては靄の中だ。

目に見えるものは信用できない。

耳に聞こえるものは信頼でない。

手に触れる物は信憑できない。

 

曰く、不可解。

 

 

前の無い靄の中で

それでも前に進みたいと

這いつくばって

四肢を突いて

探り探り蠢いている。

捉えているつもりの地面もまた

濃いだけの靄。

 

 

落ちているのか。

漂っているのか。

沈んでいるのか。

浮かんでいるのか。

 

上を見ても人影。

下を見ても人影。

 

叫ぶ声

笑う声

怒る声

泣く声

声なき声

届かぬ声

聞こえぬ声

 

人々は何処に向かっているのか。

己はどこに居るのか。

顔を向けている方が前ならば

振り向いた時の前はどちらだ。

 

 

曰く、不可解。曰く、不可解。

 

されど滝に身を投ずる勇気も無く

靄の上を這う。

「あの電車に乗って、あの橋を越えて」の朗読ムービーが公開されました。

「あの電車に乗って、あの橋を越えて」の朗読ムービーが公開されました。

 

 

著:神光寺かをり 朗読:吉岡麻耶さん

 

 

 プロジェクトの詳細はこちら

https://novelup.plus/campaign/kotobanochikara-pj/

 

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ノベルアップ+の「令和元年台風19号 被害支援プロジェクト」に参加しています。

株式会社ホビージャパンが運営する小説投稿サイト「ノベルアッププラス」で開催されている「令和元年台風19号 被害支援プロジェクト」に

真田大石」「あの電車に乗って、あの橋を越えて当ブログから転載した作品)」にて参加いたしております。

このプロジェクトは、

期間中に公式タグ「届け、言葉の力PJ」を設定したすべての投稿作品に対し、 「応援コメント」「応援スタンプ」「応援レビュー」によって付与された 「ノベラポイント1ポイントにつき1円」を、 ホビージャパンより日本赤十字社が募る「令和元年台風第19号災害義援金」に全額寄付する

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このプロジェクトには、拙作「真田大石」「あの電車に乗って、あの橋を越えて」以外にも、沢山の作品が参加をしております。

 

どうか、みなさんの力を貸してください。

よろしくお願いいたします。

 

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あの電車に乗って、あの橋を越えて

別所線千曲川橋梁 2006/04/10

 

いつものように出かけよう

仕事をしに

食事をしに

買い物をしに

楽しんでよろこんで笑おう

 

いつものように帰ろう

我が家に

実家に

故郷に

楽しんで喜んで笑おう

 

 

あの橋がまた架かったら

いつものように出かけよう

いつものように帰ろう

 

賑町笑劇場>>別所線

異世界転生

古い原稿用紙

この世をば
仮寓かりやとぞ思ふ

手の内の
言の葉にこそ
われみける

 

賑町笑劇場>>古い原稿用紙

追記というか、推敲というか……。

 

 

この世こそ
仮寓とぞ思ふ
手の内の
言の葉にこそ
吾は棲みけり


この世をば
仮寓とぞ思へ
手の中の
言葉の内なむ
吾の棲みける



うーん。