電柱詩人 on Hatena_Blog 

たとえ人が私を見て 「醜い」と眉を顰めたとしても 私はそこに立ち続ける

水楢の幹を削る

正義とは何か。

芸術とは何か。

娯楽とは何か。

創作とは何か。

 

総ては靄の中だ。

目に見えるものは信用できない。

耳に聞こえるものは信頼でない。

手に触れる物は信憑できない。

 

曰く、不可解。

 

 

前の無い靄の中で

それでも前に進みたいと

這いつくばって

四肢を突いて

探り探り蠢いている。

捉えているつもりの地面もまた

濃いだけの靄。

 

 

落ちているのか。

漂っているのか。

沈んでいるのか。

浮かんでいるのか。

 

上を見ても人影。

下を見ても人影。

 

叫ぶ声

笑う声

怒る声

泣く声

声なき声

届かぬ声

聞こえぬ声

 

人々は何処に向かっているのか。

己はどこに居るのか。

顔を向けている方が前ならば

振り向いた時の前はどちらだ。

 

 

曰く、不可解。曰く、不可解。

 

されど滝に身を投ずる勇気も無く

靄の上を這う。