電柱詩人 on Hatena_Blog 

たとえ人が私を見て 「醜い」と眉を顰めたとしても 私はそこに立ち続ける

水楢の幹を削る

正義とは何か。 芸術とは何か。 娯楽とは何か。 創作とは何か。 総ては靄の中だ。 目に見えるものは信用できない。 耳に聞こえるものは信頼でない。 手に触れる物は信憑できない。 曰く、不可解。 前の無い靄の中で それでも前に進みたいと 這いつくばって …

異世界転生

この世をば 仮寓《かりや》とぞ思ふ 手の内の 言の葉にこそ 吾《われ》は棲《す》みける 賑町笑劇場>>古い原稿用紙 追記というか、推敲というか……。 この世こそ 仮寓とぞ思ふ 手の内の 言の葉にこそ 吾は棲みけり この世をば 仮寓とぞ思へ 手の中の 言葉の…

歩く。

見上げれば星の光眺めれば街の灯 道中半の我が手には冷たい小さな明かり 握りしめて進む 賑町笑劇場写真素材素材分室>photo22

いなずまのなみ

今、誰かの声が 私の体をすり抜けて 誰かのところへ向かって行った うれしい、かなしい たのしい、さみしい ありがとう、ごめんね こんにちは、さようなら さっき、誰かの言葉が 私の体を通り抜けて 誰かのところへ届けられた 賑町笑劇場:夕暮れ時の鉄塔

3.8cm

遠い昔に 私から千切れていったお前は 私を見つめたまま 後ずさりに遠離って行く 声も聞こえない彼方まで 去ってしまったというのに お前はそんなそぶりも見せずに じっとこちらを見ている 私がいくら声をかけても手を伸ばしても お前には届かないと判ってい…

Hallo World

小さな箱の中の新世界で 目覚めてしまった 今日の自分に挨拶を 深い眠りの底の古い世界を 置いてきてしまった 明日の私に祝福を

蠢く

仰ぎ見る青い天井はどこまでも高くて伸ばしても指先は決して届かなくて届かない自分が悔しくて掴めない空が羨ましくて悔しがる自分が悲しくて憧れの空が疎ましいほの暗い闇の中で天を見る目玉は青い炎を色をしている 仰ぎ見る灰色の天井はどこまでも遠くて伸…

さよならをしよう

ああ 今日はもうおしまい 二度と無い今日に 永遠のお別れをしよう そうしたら振り向いて 二度と無い明日に 挨拶をしよう photo by 賑町笑劇場>夕焼け 電柱詩人にご投票頂ける場合は↓こちらのバナーから投票フォームへ

明日は晴れるか、雨降りか

違うということを知っているから 同じにはなれない 違うということを知っているまま 同じ場所にいたい photo by 賑町笑劇場>薄墨の雲、暗い茜の残照 電柱詩人にご投票頂ける場合は↓こちらのバナーから投票フォームへ

十柱戯

あの 天指して立っている この場所の象徴の 真下に広がる屋根が 泣き出しそうな空から 守ってくれているのだと 知ることもなく 頭上を塞ぐ天井を だだ恨めしげに 睨みつけている photo by 賑町笑劇場>ボウリング場の裏まで来い。 電柱詩人にご投票頂ける場…

歌う

硬く 冷たく 鋭く 高く その身を震わせ 小さく 強く 済んだ声音の その大元は 溶けて たぎった 暗闇 深く その身を横たえ 広く はかなく 遠い昔に 置いてきて とうに忘れた 涙の熱さ photo by 賑町笑劇場>レーザーワンド電柱詩人にご投票頂ける場合は↓こち…

地獄の釜の蓋もあく

さあ踊ろう この日ばかりは なにもかにも忘れて 仕事も学校も 任務も指命も つらいも悲しいも 嬉しいも楽しいも 全部忘れてしまえばいい さあ踊れ この日ぐらいは 電柱詩人にご投票頂ける場合は↓こちらのバナーから投票フォームへ

たどり着けるか解らない

麓からみたその頂は 目もくらむほどの高みにあって どこまでもどこまでも 先は見えず 振り返れば 来た道は短く 振り仰げば 頂は手が届きそう 登り詰めたその先にも まだ道があると 誰かの声が言った 小さな山に 今日もしがみつく photo by 賑町笑劇場>遊具 …

人はそれを言い訳と呼ぶかもしれない

しっかりと 現実を掴み締め 今は行けない あの空を見ている photo by 賑町笑劇場>電柱の上

遠い火

夢を見ているそう思って眼を閉じた 瞼の裏の 血潮が見えた 眼を開くと 宵闇に抱かれていた 閉ざそうとした瞼の薄い隙間に 消え残った星が一つ 確かにそこにあった

#あたりまえポエム

空がこんなに青いのはきっと晴れているからだね。photo by 賑町笑劇場>空に電線 すいません、ほんの出来心です(苦笑)↓発端↓雰囲気に騙されちゃう!? #あたりまえポエム 22選https://twitter.com/momentsjapan/status/836006795772489729 今朝のめざましテ…

ボーダー

夢か現か知れなくなって 夢か現か確かめたくて 空に向かって手を伸ばし 空を掴んで目を覚ます あれはあったことなのか これは起きたことなのか いまこの掌の中には 湿気を含んだ一握りの空気photo by 賑町笑劇場>電線と花火(ピンぼけ/手ぶれ)

ここまで歩いてきたのだもの、ここから先だって行けるだろう

出かけよう 遠くへ行こう ここではない所へ そう思って、ずっとバスを待っているんだ。 雨が降っても 日が照っても 月が冴えても 一人きりで、ずっとバスを待っているんだ。 誰かに連れて行って貰いたくて 自分だけで進む勇気はなくて それでも進みたくて そ…

#お前らしくないツイートをしろ

君に繋がっているって思うだけで 指先が離れていても リボンが途切れていても ずっと一緒にいられるphoto by 賑町笑劇場>「ハートのリボン」を加工

にじむ。

眩しくて目を閉じた。 薄く開けた瞼の向こうに、 あなたの顔がぼやけて見えた。 冷たい月影から顔を逸らした。 暗闇で目を閉ざした。 重たく下ろした瞼の裏に、 あなたの顔は浮かばない。 仄温かい暁暗に顔を上げた。photo by 賑町笑劇場>電線の上

たそかれ

また明日 また明日 そう言って、手を振った。 また明日 また明日 明日はいつやってくる? また明日 また明日 そう言って、見送った。 また明日 また明日 明日はいつかやってくる。 photo by 賑町笑劇場>広い空、沈む太陽

独擅場

這い上がって、齧り付いて 駆け上がって、上り詰めて 追いかけて、追い抜いて 追い立てられて、打っ千切って あそこを目指して、あそこを目掛けて ここにたどり着いて、ここを守り抜いて 上に誰もいないことに気付いて、 横に誰もいないことに気付いて、 下…

道なり

右へ、左へ ふらふらするのは 僕の足だろうか。 僕の視線は 一点を見ているのに。 右へ左へ ぐらぐらするのは 僕の頭だろうか。 僕の顔は 前を向いているのに。 photo by 賑町笑劇場>曲がりくねった田舎道

知っているよ。

ああ、辛いのはこの風のせいだよ。 いや違うんだ。 だけど何かのせいにしないと、息が詰まってしまう。 ああ、辛いのはきっとこの風のせいなのだよ。 いや知っているさ。 だけど誰かのせいにしないと、胸が裂けてしまう。 photo by 賑町笑劇場>雪降り電柱

それが日常

今登る先を振り仰ぎ あの曲がりきった先に 何かあることを期待して 何か起きることを願う 今下った後を振り返り その通り過ぎた後に 何もなかったことに安堵して 何も残さなかったことを嘆くphoto by 賑町笑劇場>歩行者専用坂道 昇り

風が身体を抜けて行く日

私は独りだと 強く思って 私は独りだと 固く信じて 私は独りだと 胸を張って それでもどこかに それでもだれかと 繋がっているのだという 受け入れがたいそのことを ひとときだけでも忘れるために 両目潤ませて天を仰ぐphoto by 賑町笑劇場>送電線

ここにいる

頭上に届かぬ空 足下に暗い淵 振り返れば哀しく 前向けば懶《ものう》い 薄く目を閉じるphoto by 賑町笑劇場>曇り空電柱詩人にご投票頂ける場合は↓こちらのバナーから投票フォームへ

その上の、その上に

私の手の届かないあの場所の その上を羽ばたいているのに それすらもあなたには 重苦しい雲の下 photo by 賑町笑劇場>電線の遙か上電柱詩人にご投票頂ける場合は↓こちらのバナーから投票フォームへ

わたしは知らないでいたい

あなたが望むなら、 あなたの知らない私の話をしましょう。 あなたが傍にいなかった頃の その話をしましょう。 だけどどうか あなたは私の知らないあなたの話をしないで下さい。 あなたの傍に私がいなかった頃の、 その話をしないで下さい。 きっと私にはま…

偉大なあなた

私などより大きくて 私などより美しく 私などより輝かしい 遠く離れた偉大なあなたあまりに遠くに在りすぎて 小さな私のぼやけた目には 区切った空の小さな光