電柱詩人 on Hatena_Blog 

たとえ人が私を見て 「醜い」と眉を顰めたとしても 私はそこに立ち続ける

詩・Log

だから手を伸ばす。

その空はあまりにも高くて 僕の手は何も捕まえられない その空はあまりにも高くて 僕の言葉はどこにも届かない その空はあまりにも高くて 僕の体はここに立つことができない photo by 賑町笑劇場>金網初出「その空はあまりにも高くて」2006年09月01日電柱詩…

陽は落ちる

今日は終わらない 今夜が始まるだけ 惜しむな 悲しむな 目を開けられないなら 瞼を固く閉じろ 走るのが嫌なら 大地を踏みしめろ 赤々と燃える向こう側は 次の始まりphoto by 賑町笑劇場>夕日初出「その空はあまりにも高くて」2006年10月26日

狐の独り言

手の届かないところにある君を 胸の奥底で味わった。 紫の珠の一粒は 目がしょぼしょぼするほど渋かった。彼女は 僕になるのを嫌っている。 紫の珠の二粒は 頭がくらくらするほど甘かった。彼女は 僕になるのを喜んでいる。 紫の珠の三粒は 心がちくちくする…

まあね。

転んだことは仕方がない 誰だってつまずくことがあるよ それに 独りで倒れて起き上がれなくなるよりは こけた現場で笑った奴の その手を貸してもらってでも もう一度立ち上がる方が ずっと良いんだ 痛いって泣き言を聞いてくれる人がいるっていうことは それ…

背伸びする

踵を持ち上げ顎を突き上げあちらでつまずきこちらでころび届かなくても手をかざすあの紺碧を引き裂いて見える彼方へphoto by 賑町笑劇場>梅雨の晴れ間のハルジオン初出「その空はあまりにも高くて」2006年09月27日

僕はこっちにいるよ。

狭いとか 暗いとか 冷たいとか 辛いとか 悲しいとか 苦しいとか 君は言って泣くけれども 僕にはこの世界がちょうど良いんだよphoto by 賑町笑劇場>取り壊された家の……初出「その空はあまりにも高くて」2006年09月20日

もしもし。

あのてっぺんの心もとないとんがりが僕と君とをつないでいるphoto by 賑町笑劇場>夕暮れ時の鉄塔初出「その空はあまりにも高くて」2006年09月16日

そう思わないと苦しいんだよ

きっと 君はあそこから降りてきた人なんだだから 君は僕の目の前にいるのに じっと僕の向こう側を見るのだろう きっと 君はあそこから降りてきた人なんだだから 君は僕の目の前にいるのに 少しも僕の声が届かないのだろう きっと 君はあそこから降りてきた人…

雲の波は 広がってゆく 向こうへ、向こうへ 雲の波は もう行ってしまった あちらへ、あちらへ 雲の波は 戻ってこない こちらへ、こちらへphoto by 賑町笑劇場>夕日沈み行く初出「その空はあまりにも高くて」2006年09月08日

ダイダロスの息子

彼が空高く飛び立ったのは 翼の力を信じたから 彼が空高くから堕ちたのは 己の力と信じたからphoto by 賑町笑劇場>彼方へと飛び去った初出「その空はあまりにも高くて」2006年09月06日

だから手を伸ばす。

その空はあまりにも高くて 僕の手は何も捕まえられない その空はあまりにも高くて 僕の言葉はどこにも届かない その空はあまりにも高くて 僕の体はここに立つことができない photo by 賑町笑劇場>金網初出「その空はあまりにも高くて」2006年09月01日