電柱詩人 on Hatena_Blog 

たとえ人が私を見て 「醜い」と眉を顰めたとしても 私はそこに立ち続ける

蠢く

仰ぎ見る青い天井はどこまでも高くて

伸ばしても指先は決して届かなくて

届かない自分が悔しくて

掴めない空が羨ましくて

悔しがる自分が悲しくて

憧れの空が疎ましい

ほの暗い闇の中で天を見る

目玉は青い炎を色をしている



仰ぎ見る灰色の天井はどこまでも遠くて

伸ばしても指先は足下にも及ばなくて

届かない自分が情けなくて

掴めない踵が憎らしくて

悔しがる自分が莫迦らしくて

憧れの背中が妬ましい

漆黒の奈落の中で空を見る

目玉は青い炎の色をしている



指の遙か上にも

踵の遙か下にも

数多数多

同じ色の光が

続いている



光も闇も

区別のない

全て昏い混沌



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十柱戯


あの
天指して立っている
この場所の象徴の
真下に広がる屋根が
泣き出しそうな空から
守ってくれているのだと
知ることもなく


頭上を塞ぐ天井を
だだ恨めしげに
睨みつけている


photo by 賑町笑劇場>ボウリング場の裏まで来い。


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歌う


硬く
冷たく
鋭く
高く
その身を震わせ
小さく
強く


済んだ声音の
その大元は


溶けて
たぎった
暗闇
深く
その身を横たえ
広く
はかなく


遠い昔に
置いてきて
とうに忘れた
涙の熱さ


photo by 賑町笑劇場>レーザーワンド

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地獄の釜の蓋もあく

さあ踊ろう
この日ばかりは
なにもかにも忘れて
仕事も学校も
任務も指命も
つらいも悲しいも
嬉しいも楽しいも
全部忘れてしまえばいい
さあ踊れ
この日ぐらいは



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だから手を伸ばす。

金網

その空はあまりにも高くて
僕の手は何も捕まえられない


その空はあまりにも高くて
僕の言葉はどこにも届かない


その空はあまりにも高くて
僕の体はここに立つことができない


photo by 賑町笑劇場>金網
初出「その空はあまりにも高くて」2006年09月01日

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